たばこと中性脂肪.ビタミンの関係
たばこの煙には、3,000種類以上の化学物質が含まれています。その中でも、発がん物質として発見されているのは、約100種類以上といわれています。たばこの煙には、ニコチンやタールがあり、軽くても本数を吸っていれば一酸化炭素を多く吸っていることになります。ニコチンは、交感神経を刺激し動悸を生じたり、末梢血管を収縮して血圧を上げます。また、中枢神経に作用し、依存症となる危険があります。一酸化炭素は、赤血球と結びつき離れないため、酸素ができない血液が流れることになります。タールには、発がん性があります。
■中性脂肪とたばこの関係
中性脂肪とたばこの関係でいえば、ニコチンや一酸化炭素は、高脂血症や動脈硬化を引き起こす誘因があるだけでなく、ニコチンには、中性脂肪や悪玉コレステロールの合成を促し、善玉コレステロールを減らす働きがあります。また一酸化炭素にも、中性脂肪や悪玉コレステロールを増やして血栓を作りやすくする働きがあるのです。
別の視点でいうと、たばこを吸う行為は、絶えずレントゲンを撮り続けている(放射線を浴び続けている)のと同じことだといいます。1日1箱吸うと、1年間に100枚(3日に1枚)レントゲンを撮ることに換算されています。たばこの有害物質には、フリーラジカルそのものや、体内に入ってフリーラジカルを生み出したり、抗酸化物質などを破壊してからだの抗酸化力を低下させてしまう化学物質が大量に含まれています。それが体の中のフリーラジカルを、過剰にする原因になっています。たばこのフリーラジカルの1種である活性酸素は、LDLコレステロールを酸化させて、動脈硬化を引き起こす原因にもなっているのです。
たばこに含まれるニコチンには、頭をスッキリさせ(精神興奮作用)、気持ちを落ち着かせる(精神沈静作用)2相性の作用があることがわかっています。たばこを吸った後の満足感も、ニコチンのおかげのようです。中性脂肪やコレステロールが気になり、生活習慣病の恐怖におののいているのなら、たばこは絶対に、やめたいものです。
■たばことビタミンの関係
喫煙者の血液中に含まれるビタミンEの量は、たばこを吸わない人に比べてきわめて少なくなっています。これは、たばこの煙によって発生したフリーラジカルを消す為に、ビタミンEが消費されたからです。また、たばこを1本吸うと、抗酸化物質のひとつであるビタミンCが血液中から25mgも消えるといわれています。成人男性に必要なビタミンCの量は1日100mgとされていますから、たった4本たばこを吸っただけで、それが消えてしまう計算になります。どうしても、たばこがやめられないという人は少なくとも、ビタミンEとビタミンCの摂取は心がけたいものです。